ジャンボン・メゾン

2021/02/21 12:28

先週、東日本大震災を彷彿とさせる大きな地震がありました。

東日本大震災から10年。それは「余震」と報道されました。

#東日本大震災
当時私は39歳で、その年に40歳を迎える大切な節目を迎えていました。
二度目の成人式を迎える、だからもう私は好きな事をやる。
そんな気持ちでワクワクして、水面下で色々な事を準備していた時
東日本大震災が発生。
その時、大きな揺れの中で感じた「誰かの声」
「自分の夢は自分自身の問題で、私ならきっと叶えられる。でも
父と母が創業したジャンボン・メゾンという会社だけは、もう誰かが
梃入れしないとだめだ。それはきっと自分だ」
私はこれから手掛ける「こと」の優先順位を瞬時に見直したのです。
その「声」とは正に、「自分自身の声」であり
今まで次女として、家業から逃げようとしていた
「負い目」からの気づきでもありました。

#取材 #歩み #十年で成し遂げてきた事

先週の土曜日、丁度テレビのオンエアがあり
「量り売りマルシェ」と「きらわれベーコン」の
詳細が明確に分かりやすく特集されました。

#tbcサタデーウォッチン

私は代表になる前は、できれば取材は受けたくなかったし
テレビなんて論外で、自分が写っている姿なんか見たくもないと思っていました。
しかし、取材を受けて気が付いたのは
取材は自分の考えていることを簡潔にアウトプットする場であり
難しい事を「簡単に」「短く」「簡潔に」言葉で伝える技術がないと駄目だということ。
私はテレビ、ラジオ、雑誌の取材を通してその技術を習得していきました。

#同じことを繰り返し言う

私が代表取締になってから意識して話したことは3つだけ。

「女性だけでシャルキュトリーを作っている」
「三つのコンセプトの異なったブランドがある」
「これからどうなりたいか」

取材を受けるたびに、同じことを繰り返し語りました。
そしてやっと「女性だけでつくっているハム」という
キーワードが独り立ちして、取材依頼の理由の100%が
このキーワードによるものでした。


#守るべきもの
#変えるべきもの
#自分のやりたい事

コンセプト違いのブランドを立ち上げたのは
この三つを明確に「すみ分け」するためです。
私の一番やりたい事をカタチにしたブランド、それが
アトリエ・ドゥ・ジャンボンメゾンで、コンセプトは「旅するハム屋」
「自由」で「遊び」があって「ミニマム」なスタイルのブランドです。
今、アトリエで一番旬な話題となっているのが「きらわれベーコン」
ではないでしょうか。


#きらわれベーコンの仕掛け人

私は、私の力ではどうにもできないことは
どんどん助けてもらうようにしています。
きらわれベーコンの名付け親がこの人。
#野菜屋カフェヴェルデ の奥村料理長です。
この写真は農水省に居た頃の小泉進次郎氏との握手風景。
秋保ワイナリーでケータリングの依頼を受けた時のものです。
これは5年くらい前の出来事ですが
もうこの頃から、奥村氏はとっくに一人で「食品ロス」に
取り組んでいました。というか、彼の中で「食ロス」はごく当たり前のことでした。

サタデーウォッチンの放送後
ヴェルデにお客様が8組ほど来て
きらわれベーコンを使用したお料理を食べていかれたそうです。

奥村氏はこんなことを感じたそう。

皆さん、料理に興味あるというよりは
「食ロス」の取り組みをもっと知りたい、または
自分もその活動に賛同したいというお客様がほとんどだった、と。

これで料理がまずかったら本末転倒ですが
奥村氏の料理は本当に美味しい。
ピザに鎮座するきらわれベーコンは
もう主役というより絶対的存在となっていて
奥村氏が目指す「引き算の料理」のコンセプトが
はっきりと感じられる一品になっています。

あの大震災から10年。
私も本当に色々に事に挑戦してきました。
「どこに着地すればいいのか」
「いつまで頑張り続ければいいのか」
「何をどうしたいのか」
会社の中の問題をリストアップして
周りに気づかれないよう密かに向き合って10年。
何かを成し遂げるのなら「10年は捨てろ」と言われたことがあったけど
それは本当でした。それくらいは時間がかかることを身をもって経験した10年。
大分手放して「これはいらない」と「これはいる」を見極めて過ごした10年を経て
今の私の手に残っているものは「ご縁」のような気がしています。
ずっと見えない「何か」と戦ってきて、そんな姿を察してか
私の事を「侍」と表現する人もいます。


#侍
#伊達政宗
#前立て
#月じゃなくてバナナ

これからの10年の事を考えています。
何なら10年後、今までの苦労が何もなかったかのように
今、特別扱いされている「食ロス」「ノンプラ」が当たり前になって
子供たちが大きくなった時に
「私たちの親世代が頑張ったから、今生きやすくなった」
と思ってもらえるような社会にしたいと静かに思っています。

tbcのディレクター様はじめ、スタッフの皆様
とても良い番組にして頂き感謝しております。
反響も多く、励みになりました。

ジャンボン・メゾンのファンの皆様も
沢山のご連絡ありがとうございました。
地元の岩出山の仲間もいつもありがとう感謝しています。